家族信託と成年後見制度

将来のことを考えて財産を誰かに管理して欲しいときに、家族信託と成年後見制度という2つの選択肢があります。家族信託は、認知症などに備えて利用される事が多いですが、財産の所有者に何も問題がなくても管理を任せることができます。財産を管理する受諾者になるには特別な資格を必要としませんが、未成年・成年被後見人・被保佐人は除外されます。それ以外の人であれば、信託契約を結ぶことで誰でも受託者になれます。多くの場合は、弁護士や司法書士といった専門家が選ばれます。それに対して成年後見制度は、判断能力が衰えたり失われたりするときに利用するものです。利用する時にすでに判断能力が不十分な状態であれば法定後見制度を、将来的に判断能力が不十分になったときに財産管理を任せられるようにしたいならば任意後見制度を利用します。成年後見制度における後見人ですが、家庭裁判所に認められなければいけません。従って家族信託に比べれば、自由度が低いです。認知症などのリスクが迫っているならば、後見人を監督できて横領がしにくい成年後見制度が良いでしょう。そうではなく漠然とした危機感を抱いているだけでであれば、家族信託が最適です。